犬猫の誤飲

犬猫の誤飲の原因

仔犬や子猫が誤って食べ物以外の物で生体に影響のあるもの(すなわち異物)を食べたことによっておこる、主に嘔吐、下痢などの消化器症状を表す病気です。

様々な異物によって引き起こされるため、その異物の性質や形状、大きさによって症状が異なり、従って対処法も様々です。

犬猫の誤飲の症状

レントゲン検査や超音波検査で診断可能な異物

画鋲、針など

先がとがっているため胃壁や内蔵を傷つけてしまう可能性があり、万が一誤飲をした場合、吐かせて取ることができない異物です。バリウム検査で流れを見るか、内視鏡あるいは開腹手術にて除去する必要があります。早急に動物病院へお越しください。その際同じ形状のものをお持ちいただくと診断の役に立ちます。

【対処法】内視鏡、開腹手術

電池、クリップ、金属製のボタンなど

吐かせて取り出す事が多いです。

【対処法】崔吐処置、内視鏡

ボール、おもちゃ、お守りなど

おもちゃ類は、十分に大きくて壊れないような、できるだけ危険のないものを選びましょう。

スーパーボールは一番多くみられますが、軟式テニスのボールを飲んでしまった仔犬もいます。また猫じゃらしを噛んで分解して飲み込んだり、ぬいぐるみの目や鼻に使われているパーツを食いちぎって飲み込んでしたりすることもあるので注意が必要です。

異物の大きさや材質にもよりますが、開腹手術が必要になる例が多いです。

【対処法】崔吐処置、内視鏡、開腹手術

中型犬以上で多く見られます。大きさにもよりますが、腸に閉塞して激しい嘔吐をする症例が多いです。

【対処法】開腹手術

レントゲン検査で診断が難しい異物

ひも類

誤飲の中で一番気を付けないればいけないものです。レントゲン検査でははっきり映らないことが多く、またオーナーも誤飲に気が付かないことも多いため、発見が遅れることも多くみられます。

症状は消化されずに胃に残ったままの場合、断続的な嘔吐が見られます。1年以上胃の中にあり続けた症例もあります。

一方、詰まって腸閉塞を起こした場合は、何を食べても吐く、食欲はあるけれども吐くなどの症状が観察されます。

【対処法】開腹手術

ティッシュペーパー・紙類

仔犬でもっともみられる異物です。便検査の時に良く見つかります。少量であれば、大便と一緒に排泄されるのでさほど心配する必要はありません。腸閉塞が疑われる場合はバリウム検査で確認する事が必要です。

【対処法】経過観察、開腹手術(腸閉塞の場合)

タバコ

タバコや吸い殻を食べてしまうと、ニコチン中毒症状を起こすこともあり危険です。速やかに動物病院にお越しください。

【対処法】崔吐処置

ラップやビニール袋など

食べ物をつつんでいたラップやビニール袋などは、匂いが移るため仔犬が誤飲する例があります。またビニール袋は子猫が遊びに使うことも多くみられ食べてしまう例もあります。

多くの場合排泄とともに出てきますが、腸に詰まることもあります。

【対処法】経過観察、開腹手術(腸閉塞の場合)

くし、楊枝

くしや楊枝は先端がとがっており、胃や腸を傷つけてしまうので危険です。食道を傷つける可能性があるため、崔吐処置はできません。ご自宅でも無理に吐かせたり取ろうとしたりせずに、早急に動物病院へお越しください。その際同じ形状のものをお持ちいただくと診断の役に立ちます。

【対処法】内視鏡、開腹手術

医薬品

普段、人がテーブルに座って食事をとっている際に、足元に仔犬を離している場合、テーブルにあるものは「美味しいもの」だと認識してしまい、テーブルから落下するものは食べられるものと思い、瞬間的に食べてしまいます。つまりうっかり医薬品を落とすと、パクっとたべてしまいます。

赤ん坊がいたり普段からテーブルの下でおねだりする犬に多く見られます。

また留守中にテーブルによじ登って、テーブルの上の医薬品を誤飲する場合もみられます。

ビタミン剤などであれば経過を見てもよいと考えますが、血圧の薬を誤飲して泡を吐いて倒れた仔犬もいます。直ちに病院に来ていただければとおもいます。何を飲んだのかわかっている場合はその内容もお教えください。

【対処法】崔吐処置

草花、観葉植物など

生け花をしているご家庭でユリを食べてしまい、ぐったりした例があります。また冬場によくみかけるポインセチアなどはたべると中毒症状をおこすこともあります。少量であれば問題はありませんが、嘔吐や下痢などの症状があれば病院に来てください。

【対処法】崔吐処置

チョコレート、玉ねぎなど

チョコレート中毒は有名です。10kgの犬では板チョコ1枚程度を食べると症状が出るといわれています。

また玉ねぎ中毒は血尿を引き起こすことも知られていますが、意外とハンバーグなどの玉ねぎが入った加工品や焼き肉のタレなどでも玉ねぎ中毒を起こした例もあります。

【対処法】崔吐処置


犬猫の誤飲の治療

症状の度合いや、動物の状態にもよりますが、早期のものであれば崔吐処置を用いますが、内視鏡や外科手術を用いることもあります。

崔吐処置

薬をつかって吐かせる方法です。注射後5分から10分程度で吐かせることが可能です。

【費用】崔吐処置 8,000円~

内視鏡

麻酔下で内視鏡を使って取り出す方法です。2kg以上あれば内視鏡で取り出す事が可能ですが、1kgにも満たない小さな仔犬子猫の場合は内視鏡の口径が食道よりも大きくなってしまうため挿入ができません。

【費用】内視鏡検査 30,000円
麻酔前検査、異物撤去費用、入院費等は別途

開腹手術による胃切開あるいは腸切開

麻酔下で異物を直接取り出す方法です。

【費用】開腹手術 50,000円~
麻酔前検査、入院費等は別途

犬猫の誤飲の予防

しつけが大切です。また普段から目を離す時はサークルにいれるなどの対応がひつようです。

しつけはこちらを参考にしてください。

犬猫の誤飲の関連疾患

膵炎、胃腸炎

犬猫の誤飲の好発種

仔犬や子猫、食欲旺盛な動物に起こります。