犬の肥満外来

原因

日本では、飼育されている犬全体の約3割が肥満状態(ボディーコンディション4以上)と言われています。

肥満は心臓病、呼吸器疾患、関節疾患、皮膚病などの様々な原因になる可能性があります。

ボディコンディションスコア(BCS)の基準

 

犬の肥満の原因のほとんどが、カロリー摂取と運動による消費カロリーのバランスが崩れていること、また栄養バランスの不均衡です。

「食事量はドックフードの袋の裏面に書いてある量を守っているし、おやつもあまり上げていないのに、痩せない、太ってしまう。」

「ダイエットして痩せたのに、またすぐに元の体重に戻ってしまう、リバウンドしてしまう。」

と言った声をよくオーナーさまから聞きます。そんな方は、あいペットクリニックで栄養管理の話を聞きに来てください。

① カロリーの過剰摂取

犬の肥満の原因で、一番多いのがこのカロリーの過剰摂取です。

『犬に餌の食べすぎと言った言葉はあてはまりません。餌の与えすぎです。』

フードの量を図らずに、目分量で与えてしまう。おやつを欲しがるままに与えてしまう。人間の食事中に欲しがるからと言って、食事の一部を犬に与えてしまう。

こうした行為はすべてカロリーの過剰摂取につながり、犬の肥満につながります。

② 運動不足

散歩を1日何分していますか?散歩時間は最低10分は確保したいところです。

家の中にいて走り回っているから散歩はしなくて良いと考えるオーナー様も多いと思いますが、家庭内での運動によるカロリー消費は決して高くありません。

10分以上しっかり歩いて脂肪を燃焼し筋力を維持する事が、犬の老後のQOLを高めるうえでも重要です。

栄養バランスの不均衡

「最近太ったから、餌の量を減らした。一旦は痩せたが気を緩めたらダイエット前の体重になってしまった。」

この原因は栄養バランスの不均衡によることが考えられます。ダイエット中に単純に餌の減らすと筋肉量が減ってしまい、その結果、基礎代謝量が減少するため、その後太りやすくなってしまいます。いわゆる「リバウンド」しやすくなります。よって、

ダイエット中はダイエット用の犬のフードに切り替えるのが理想です。

ダイエット用の犬のフードのフードは設計は、たんぱく量を増やしてダイエット中も筋肉量を維持できるようにするものが多いです。

「ずっとダイエット用のフードを食べているのに太ってきてしまった。」

ダイエット用の犬のフードの中には、栄養バランスの悪いものもあります。食べ続けることではじめは効果があったかもしれませんが、長期投与で体が飢餓状態になることもあります。

ダイエットの目的が終わったら一般食に戻すのが基本です。


手順および費用

まずは、なぜ痩せる必要があるのかをお話させていただきます。大半の場合、カロリーの与えすぎが原因になるため、ここのコンサルティングも必要になります。

① 健康診断

無理なくダイエットするためにはまず健康診断をする必要があります。既往歴も重要になります。

体重測定、脂肪量の測定をいたします。

健康診断は、健康診断のCコース以上をお勧めいたします。

健康診断の費用はこちら

② アレルギー検査

多くの場合、ドックフードのみではコントロールをすることが難しいため、人間の食材を用います。その前にアレルギー検査をして安全な食材を選びます。

また切り替えた後も尿検査、便検査などをして確認することもあります。

アレルギー検査の費用はこちら

③ 目標設定

ここまで終わればあとは目標と期間を設置してダイエット開始です。

おおよそ犬のダイエットの場合、1週間当たり体重の1%前後を減らすのが理想です

ただしボディーコンディション5以上の場合は、副作用を減らすために体重減少率を0.5%程度に低く抑えます。


治療

通院での治療

2週間毎の通院が基本になります。

① おやつを止める、ドックフードのみとします。

② 効果が十分に出ない場合は、ドックフード+食材 (半手作り食)を使います。

③ これでも効果が出ない場合は、入院での治療となります。

ドックフードを食べない、要求吠えがひどいなどと言った犬の場合は、入院での治療が必要になります。

入院の場合は、1日10,000円程度の費用が必要になります。


効果およびリスク

ほとんどの場合効果が出ます。特に入院治療の場合は獣医師が管理しますので安全に体重管理をすることができます。


関連疾患

心臓病、関節疾患、呼吸器疾患、皮膚炎

トピック ~ 犬にはカロリー計算は有効なの?

前述の「食事量はドックフードの袋の裏面に書いてある量を守っているし、おやつもあまり上げていないのに、痩せない、太ってしまう。」

その主な原因は、成長ステージ、活動性、避妊/去勢の違いによって、カロリー必要量が大きく変わるからです。一方、一般的なドックフードの量は、下記の係数をプラスマイナス0.2で計算する事が多いです。

よって本格的にダイエットする場合は、係数をマイナス 0.4~0.6にする必要があります。もちろん個体差がありますので、獣医師に相談してください。

RER: Resting Energy Requirements(安静時エネルギー要求量)

RER(kcal/day) = 70 x 体重(kg)0.75乗

kg PER
2 118
4 198
6 268
8 333
10 394
20 662
30 897

 

DER: Daily Energy Requirements(1日当たりエネルギー要求量)

ステージ 係数
幼犬(~4か月未満) 3.0
成犬(4か月齢~) 2.0
成犬(去勢、避妊) 1.6
肥満傾向の成犬 1.2~1.4
減量時の成犬 1.0

 

 

Reference: Basic Calorie Calculator

Reference: The Hill’s Key to Clinical Nutrition

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