ロイヤルカナンのフードから悪名高きBHCが撤廃されることに
ロイヤルカナンのドライフードから悪名高き添加剤、BHCが2021年1月より段階的に撤廃されます。
あいペットクリニックでは、ロイヤルカナンのドックフードおよびキャットフードを主力商品として販売しております。ペットオーナーにとっては朗報だと考えます。
BHC(ブチルヒドロキシアニソール)とは
酸化防止剤の一つです。ロイヤルカナンの犬猫用のペットフードをはじめとして、油脂を多く含む食品、化粧品あるいは化学製品などに広く用いられています。1982年に日本人科学者が「BHC」に発がん性がのあることを研究公表し、メディアでも広く報道されたため、悪名高き添加物とのイメージが付いてしまった経緯があります。
ロイヤルカナン社からの説明では
- 発がん性の閾値が確認されている
発がん性を起こす摂取量が明確にわかっているため、それ以下の非常に少ない量を摂取しても問題ではない
- 体内蓄積がない
基準量の100倍以上の量を摂取しても3日以内に体外へ全量排出される。
との理由から現在まで使用をしるとの事でした。
そもそも酸化防止剤がなぜ必要なのか?
大気中に存在する限り、製品が酸素と結合する(=酸化)は避けられないことです。元来、動物性油脂は酸素と反応し酸化を起こし変化しやすいです。特に食品中の脂肪酸が酸化すると「ヘキサナール」などの腐敗成分が発生してしまい、逆に健康被害を与える恐れがあります。
動物性油脂を入れることは、犬猫が好んで食べる(嗜好性が高い)ことと原料が安く大量に調達できるからです。結果として製品コストを下げ、ペットオーナーにリーズナブルな価格で提供できるからです。
今回「BHC」から「ミックストコフェロール、ローズマリーエキス」といった酸化防止剤に代わります。日本で流通している食品、ペットフードでも広く用いられているため、製品イメージは大変良くなっています。
ただこの変更に際して製造コストの上昇は避けられないと考えます。
考察
今回の変更は大いに歓迎する内容です。ただ、安全性が高い=コスト上昇はセットで考えなくてはならないと考えます。
ロイヤルカナン社の過去2年で4回値上げを行っており、2020年10月にも一律8%の値上げを行っています。
世界的に見て、ドックフードの価格は、穀類の単価や人件費を含めた製造コスト上昇の為、右肩上がりです。日本だけ奇跡的なデフレ下でコストはあまり上がっていたため、輸入ペットフードは抜きに出て価格アップが目立ちます。
こうした背景もあり、近年ロイヤルカナン社は流通の見直しを行っており、販売コストの削減を行っています。
あいペットクリニックでロイヤルカナンを推奨している理由は
1 情報開示がしっかりしている
2 穀類を含むバランスの取れたレシピが基本である
3 特定の疾患に効果的な動物病院専売商品がある
今後もペットオーナー様に必要な情報は速やかに発信させて頂きます。