猫の死亡原因1位は腫瘍って本当?
猫の死亡原因って、ネット検索をすると、1番「腫瘍」って結果が出るサイトが多いようですが、それって本当なのでしょうか?SBIプリズム少額短期保険の調べでは、腫瘍が死亡原因1番で全体の38%との事です。
犬と猫の死亡原因について | ペット保険はプリズムペット (sbiprism.co.jp)
現場で多くの猫を診ている我々にとって、腫瘍が1番との感覚はありません。多くのサイトが、データや出典が明らかではないので、信憑性が無いのでは、と思い、自分なりに調べてみました。
出典は、ペット保険、最大手のアニコムが毎年行っている、家庭動物白書からデータを拝借しました。最新版2023年、ページ66辺りがデータとして活用できると思います。
家庭どうぶつ白書|ペットの相談 (anicom-page.com)
1 泌尿器系 950頭 28%
2 腎不全 939頭 28%
3 元気喪失 236頭 7%
4 心筋症 169頭 5%
5 嘔吐、下痢 146頭 4%
6 その他全身疾患 129頭 4%
7 糖尿病 107頭 3%
8 胸水 102頭 3%
9 造血系腫瘍 101頭 3%
10 その他循環器疾患 87頭 3%
ご覧のように、腫瘍は第9位で全体の3%程度です。同じ保険会社でもこんなにデータが違うのはありえないでしょう。
普段飼い主様には「猫の3頭に1頭は腎不全になる」とご説明しているので、このデータが裏付けされています。
あくまでもこのデータは高齢猫用なので、当然子猫では感染症が多くなると思われますが、大きな傾向は変わらないと考えます。
ネットでは間違った情報があふれているため、見る側も正しく判断する事が必要ですね。
アニコムのデータから、「じゃあ腎臓と心臓、消化器系をきちっと管理出来ればもっと長生きできるよね!」って事になります。
そうなってくるとやはり大事なのは猫の定期健康診断です。普段猫に毎日接していても腎臓や心臓の病気って判りにくいですからね。
本院でも毎年春の2月より4月までお得な猫の予防プランを行っています。
健康診断 – あいペットクリニック獣医科グループサイト (jvets.co.jp)
猫に限らず、病気は早期発見、早期治療が大切です。
特に腎不全に関しては数年前にラプロスと言う、猫専用の腎不全の薬が発売されており猫の延命およびQOL向上の一役を担っています。
ぜひ、日常で何か気になる事や不安、何か相談したいことがあれば何なりとお申し付けください。
あいペットクリニック稲毛獣医科