いわゆる「4毒」とペットフードをどう考えるか
近年、人の健康分野で「4毒(砂糖・小麦・乳製品・植物油)」という言葉を耳にする機会が増えました。これらは摂りすぎることで、肥満、炎症、腸内環境悪化、慢性疾患のリスクを高める可能性があるとされています。では、この考え方は犬や猫のペットフード選びにも当てはまるのでしょうか。
結論から言えば、「考え方の一部は参考になるが、そのまま当てはめるのは適切ではありません」。犬猫は人とは消化特性や必須栄養素が異なり、人の健康理論をそのまま移植することはできません。
まず、「糖質」についてです。⇒ NG
糖質を「取りすぎない方がよい」という点には、私も大いに賛成です。過剰な糖質摂取は、肥満、血糖変動、腸内環境悪化の一因になり得ます。
ペットフードにおいても、主原料が糖質源ばかりになっている設計は、長期的には望ましいとは言えません。
次に、「小麦」についてです。⇒ OK/NG
この点も「一部賛成」です。
現在流通している小麦は、品種改良や遺伝子組み換え・交配を繰り返したものが多く、過去の小麦とは性質が変化してきています。その結果、「炎症に関与する可能性がある」という指摘が出てくることにも、一定の理解はできます。
ただし、ここで重要な疑問があります。
なぜ小麦だけが問題視され、大麦・ライ麦・オーツ麦などは同列で語られないのか。
また、「グルテン量の違い」なのか、「加工工程の問題」なのか、「摂取量の問題」なのか、明確な整理がなされていないケースも多いのが実情です。つまり、小麦=毒と単純化できるだけの統一された科学的根拠は現時点では十分とは言えません。
続いて、「乳製品」についてです。⇒OK
哺乳類は、生まれてすぐ母乳を飲んで成長します。
つまり、乳そのものが本質的に“毒”であるはずがありません。人でもヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品は、長年にわたり多くの国で日常的に摂取されてきました。
乳製品が問題になる主な理由は、
・乳糖不耐症など体質との相性
・過剰摂取によるカロリー過多
・高脂肪乳製品の摂りすぎ
といった点です。本質は「乳製品そのもの」ではなく、体質と量の問題です。
「脂質」についても同様です。⇒OK
「植物油=悪」という単純な構図は適切ではありません。オリーブ油のオレイン酸、魚油のEPA・DHAなど、不飽和脂肪酸には健康維持に役立つ脂肪酸が多数存在します。
牛脂やラードが、植物油より本質的に優れているという根拠もありません。
重要なのは、脂肪の由来ではなく「質」と「管理」です。
・必須脂肪酸が適切に含まれているか
・酸化しやすい油脂が適切に管理されているか
・総脂肪量が過剰になっていないか
4毒という言葉が示唆している本質は、
「過剰な加工」「極端な偏り」「嗜好性偏重設計」への注意喚起と捉えるとよいでしょう。
ではペットフードの場合の4毒は何か?ですが
Dr. Hyde版・ペットフードの4毒
- 過度な糖質
- 劣化・酸化した脂質
- アミノ酸バランスを欠いた過度なタンパク質設計
- 一部の合成保存料・着色料
糖質は犬猫にとって必須栄養素ではなく、過剰になると肥満や腸内環境悪化の原因になります。脂質は重要なエネルギー源ですが、酸化・劣化した油脂は炎症や皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。タンパク質は量の多さよりも必須アミノ酸のバランスが重要で、設計が悪いと体に負担をかけ、腎不全や肝臓病の疾病の原因にもなります。保存料や着色料はすべてが悪ではありませんが、栄養的価値はなく、必要最小限が望まれます。
詳しい内容は、近日発売予定の書籍にてご案内します。



