9種混合ワクチン接種後の抗生剤の併用、9種ワクチンの効果に関するご質問

ご質問

9種混合ワクチンに含まれるレプトスピラ症を調べましたら、治療にアモキシリンを使うこともあるようですが、接種後すぐにアモキシリンを服用してもワクチンの効果は保証されるのでしょうか。

ワクチンに含まれる型が日本での好発型とはいえレプトスピラ症の型は200種類くらいあり、抗体価も数ヶ月しかもたないため、ワクチンだけで発症の予防は防げないことは承知なのですが、小さい身体に負担をかけてまで接種したので、最大限の効果を得られないのであれば、「アモキクリア」は少し日数をおきたいと考えます。

レプトスピラ症は、かかりやすい地域も南中心、発生数も多くないので、そんなに心配はいらないのかもしれませんが、人畜共通の感染症ですし、大事なうちの家族のことですので、ご教授いただけますでしょうか。

ご回答

お問い合わせありがとうございます。

「9種混合ワクチン接種後のアモキクリア服用」に関する質問ですが、「抗体価も数ヶ月しかもたないため、ワクチンだけで発症の予防は防げない」と言ったコメントも併せて頂戴しましたので、メーカーの学術担当にも確認させてください。

およそ1か月ごの次回来院を目安に回答をもらう予定でいます。

ご回答②

取り急ぎ、メーカーの学術担当から連絡があり、ワクチン接種と抗生剤の併用は問題ないと連絡がありました。

 

 メーカーからの回答

①ワクチン接種とアモキクリア投与について

飼い主様がワクチン(レプトスピラ)接種時に抗菌剤であるアモキクリアを投与していることでワクチンの効果が落ちてしまうと懸念されている点についてですがワクチンに含まれているレプトスピラは不活化で死滅しているため、抗菌剤の影響はございません。

またその他のフラクションは全てウイルスであるため、生であったとしても、抗菌剤の影響はございません。

以上より、アモキクリア投与中であっても休薬せず、ワクチン接種をしていただいて差し支えないと考えます

②レプトスピラ菌に対する抗体価の持続について

ワクチン接種によるレプトスピラ菌に対する抗体価の持続は

一般的に、「半年くらい」とか「1年もたない」などと言われることが多いかと思います。

ただ、免疫というものは抗体価ですべてが語れるものではなく

弊社キャニバック9の抗体価のデータにおいて、1年後の追加接種時に速やかに抗体価が上昇している点から

レプトスピラ菌の曝露を受けたとしても、速やかな免疫応答が起こり

防御や症状の軽減がなされるものと思われます

③レプトスピラの型が多数あることについて

飼い主様がおっしゃられるように、レプトスピラは250以上の血清型に分類されます。

その全てをワクチンで予防することは非現実的ですが、その国や地域に広く存在する血清型のレプトスピラに対するワクチンを接種することでレプトスピラ症に罹る可能性を十分に下げることは出来るかと思われます。

日本においては、イクテロヘモラジーとカニコーラに加え、ヘブドマディスが広く存在しかつレプトスピラ症の発症に関わっている事が確認されていることから弊社キャニバックは、上記3つの血清型を予防出来る9種ワクチンとなっております。