スキンケア
犬や猫の皮膚は人よりもデリケートです。皮膚病は最も発生が多い病気です。定期的なケアが何よりも大切です。
人の犬の皮膚の違い
| 犬の皮膚 | 人の皮膚 | 
|---|---|
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| 表皮 3~5細胞 アポクリン汗腺 (肉球のみエクリン汗腺)  | 
				表皮 10~15細胞 アポクリン汗腺およびエクリン汗腺  | 
			
| pH 5.5~9.2 体毛成長 周期的 表皮回転周期 およそ20日  | 
				pH 5.5(弱酸性) 体毛成長 連続的 表皮回転周期 およそ28日  | 
			
シャンプーの使い方

① 下洗い(およそ5分)
② 10分間マッサージ。薬液を体重1kgあたり1ml使用してください。
③ ぬるま湯(約30~35度程度)を使い、5分程度すすぎをしっかり行う。
④ タオル3枚を使ったタオルドライが基本です。
⑤ 短毛種であればドライヤーは必要ないです。ドライヤーを使うときは冷風が基本です。
よくあるご質問
- 犬に人間用シャンプーって使えますか?
 - 単純に汚れを落す目的であれば使うことはできます。ただし皮膚病の犬には後で皮膚トラブルになる子も多く使わない方が無難です。
一般的にシャンプーは、汚れ落ちが強くなるほど、皮膚への刺激が強くなります。低刺激シャンプーを使うと、匂い落ちが弱くなります。犬の皮膚は、上の表にあるように人間よりも薄くてデリケートです。 - シャンプーをした後に痒がる事がありますが、注意点を教えてください。
 - まずは、しっかりすすぎをすることが大切です。洗う温度もちょっとぬるい位がちょうど良いです。
乾燥はタオルドライを基本として、ドライヤーを使いたい時は、温風ではなく冷風を使ったほうが無難です。
犬用シャンプーの中でもその品質に大きな差があり、個々の犬の肌に合う合わないがあります。「毎日洗えるシャンプー」といった商品も売られていますが、皮脂が少ない犬にはかえって悪化する場合もあるので獣医師に相談したほうが良いと思います。 
デンタルケア
定期的な歯磨きは健康維持のために必要です。
 
上記の2件の例は、あいペットクリニックでも非常に珍しい症例です。
 
左の例は、重度の口内炎によって頬に穴が開いてしまった例です。
右の例は、奥歯にものが詰まった状態で放置したため、犬では大変珍しいいわゆる「虫歯」になった例です。
犬の歯磨きの仕方
成功のポイント
- 慣れた環境で落ち着いたときに行いましょう。
 - 飽きてきたり嫌がった場合は無理せず時間をあけましょう。
 
1. 口(マズル)を触られることに慣れさせましょう

①フードなどの好物を準備します。
②手に好物を持ち、犬が好物に集中している間にもう一方の手でマズルにふれます。

③おとなしくさわらせてくれたら褒めてご褒美を与えます。
④慣れてきたら唇をめくる練習をします。
好物はフード1粒など小さいものにし、エネルギーの摂りすぎに注意しましょう。
2. 指で歯や歯肉に触られることに慣れさせましょう

歯ブラシを使った歯みがきの前に、飼い主の指で歯や歯肉にふれられるようにします。
 
このとき、動物用歯みがきペーストなど、
おいしい味のついたものを指につけると嫌がらずに受け入れやすくなります。
3. デンタルブラシを使って歯磨きをしましょう。
最初はデンタルブラシに対する恐怖心を除くため、ブラシを歯に一瞬あて、できれば褒めてご褒美をあげます。
デンタルブラシへの抵抗がなくなったら徐々に時間を延ばしブラシを動かして歯みがきをします。みがきやすい犬歯や切歯(前歯)から始め、徐々に奥の方の歯までみがきましょう。
 
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			切歯(前歯)
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			犬歯
		 - 
			
			臼歯(奥歯)
		 
4. 口を少し開けさせて、歯の裏(内)側を磨きましょう
犬は口を長い時間開けておくことを嫌がるので
1回に付き1本を短時間で行い、無理にみがかないようにしましょう。
歯石・口臭予防コスト一覧
| 特徴 | 費用 | |
|---|---|---|
| 歯磨き (ブラッシング)  | 
				労力(+++) 毎日のブラッシングが必要。 一度付いた歯石除去には、 デンタルフードとガム併用が必要  | 
				歯磨き代、デンタルガム、 デンタルフード 1,000円~4,000円/月  | 
			
| 歯磨きスプレー (リーバスリー)  | 
				労力(+) 寝る前のスプレーが必要 歯石が落ちる、殺菌効果あり 臼歯への効果は弱い  | 
				8,700円/ボトル (4ヶ月間使用可能) 約2,200円/月  | 
			
| サプリメント (デンタルバイオ)  | 
				労力(-) 食事に混ぜるだけ 2週間で口臭が半減(臨床実験) 各種栄養補助成分も配合  | 
				約4,400円/月 | 
耳のケア
ご家庭で犬の耳を定期的に洗って清潔に保つことで、外耳炎の予防ができます。ぜひご自宅でもできるようにチャレンジしてみてください。
耳洗浄の方法
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1. 犬をしっかり保定します
片手で耳を持ち上げて、洗浄液を入れやすくします。
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2. 洗浄液を耳に入れます
保定した犬の耳に洗浄液をしずかに入れて、耳道を洗浄液で満たします。
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3. 耳をマッサージします
犬を保定したまま、耳根部をやさしく、 ていねいにマッサージします。
「クチュクチュ」と音がすれば大丈夫です。 - 
			

4. 犬は耳を左右にふります
犬は、耳を左右にふって洗浄液を排出します。
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5. 耳の中をやさしくふき取ります
やわらかい綿(コットン)などを使って耳の中の汚れをやさしくふき取ってください。
(この時、綿棒は使用しないでください。耳の中を傷つける恐れがあります。) - 1~5の要領で、もう片方の耳も洗浄します
 
耳洗浄の目安
1週間に1回~2回が目安になります。コットンに汚れが強くついてくるようであれば何度も繰り返してください。
特に注意したい犬種
| キャバリア コッカースパニエル シーズー  | 
				垂れ耳に起因する外耳炎を起こしやすい | 
|---|---|
| パグ フレンチブルドック トイ・プードル  | 
				外耳道が細く、しわが多いため、二次感染を起こしやすい | 
| ミニチュア・ダックス | 耳垢が出来やすい | 
| マルチーズ ミニチュア・シュナウザー  | 
				外耳道に毛が多いため、二次感染を起こしやすい。 | 









