保険料の安いペット保険への切り替えは注意が必要です。

2021.06.27

 

保険料の安いペット保険への切り替えは注意が必要です。

【まとめ】

  1. 保険料の安いペット保険への切り替えは注意が必要です。安易にネット系保険会社に切り替えると、損をする可能性があります
  2. ペット保険を切り替える場合は、新しい保険会社に正しく病歴を申告する必要があります。
  3. ペット保険の契約内容は、保険会社によって異なるので、詳細まで確認する必要があります。

 

 

あいペットクリニック稲毛獣医科に来院している方で、ネット系保険会社に加入して、逆に損をしている飼い主様が増えていますので、注意を促すためにコメントを記載します。

 

あいペットクリニック稲毛獣医科では、現在、大手ペット保険会社である、アニコム損保とアイペット保険の加入者様には、診療費の保険相当額をレセプトで管理して、窓口清算をさせていただいています。よって飼い主様が直接保険会社とやり取りを行う手間を減らすことが出来ます。しかしその一方で、窓口清算の出来ない新しいネット系ペット保険会社は、大手に比べて割安の保険料を設定しており、その点は魅力です。

 

ネット系保険会社は、インターネットで調べると、例えば

P&F保険(ペット&ファミリー)

SBIいきいき少額短期保険

楽天少額短期保険

FPC

アクサダイレクト

など多数、検索できます。

 

ケース①

保険会社を、アニコム損保からネット系保険会社に切り替えた方

 

ペットショップで購入してその時からアニコム損保に加入していた愛犬です。小さな怪我や消化器系の単純な病気でアニコム保険を使うことはありましたが、年間1~2万円程度の自己負担の医療費だったので、年間約5万円の保険金額から考えると保険料の方が割高になっていました。

 

愛犬が、8歳になり保険更新時に保険料がかなり上昇している事に気が付き、ネットなどで他社の保険会社の保険金額をしらべ、アニコムの2割ほど安い年間保険料だったのでネット系の保険会社に切り替えを行いました。

 

切り替えから間もなく愛犬がたんぱく漏出性腸炎であることがわかり、長期にわたる投薬治療が必要であることが判明しました。保険金請求のため当院での診療明細書をネット保険会社に送付した所、早速、その保険会社から当院に調査が入りました。

 

調査の内容は大きく分けると

A 蛋白漏出性腸炎の発症日はいつですか

B 以前に腸炎の診断を受けたことがありますか?

C 保険加入以前に治療を受けた疾患はありますか?

その調査の結果、この愛犬はネット系保険会社からは、消化器疾患が免責になっただけでは無く、軽度の治療のみであった目の病気や咳の症状から、眼科疾患免責、心臓循環器疾患免責との連絡があったそうです。

よってその後のほとんどすべての治療費は、全額自己負担となってしまいました。

 

ケース②

8歳の時に、ネット系保険会社に加入したが、保険免責を受けた方

当院で子犬の頃から診ているトイプードルの男の子です。8歳になったら保険に加入すると前々から飼い主様から相談を受けていたので、それは良いことですねっと話をさせていただいていました。そして8歳になったときにネット系保険加入しました。

運悪く加入後1か月も経たない頃に調子が悪いと言われて詳しく調べたところ、心臓病であることが解りました。それまでは年に数回、当院に来院して検査を受けた時には聴診時には心雑音はありませんでした。生涯にわたって投薬治療が必要とのことが分かりました。

飼い主さまが、保険会社に請求を行ったところ、保険会社から当院に調査依頼が入りました。

ケース①同様に調査の内容は大きく分けると

A 心臓病の発症日はいつですか

B 以前に心臓病の診断を受けたことがありますか?

C 保険加入以前に治療を受けた疾患はありますか?

 

今回の場合、当院では心臓に関する治療歴がなかったため、すべて無で回答しましたが、保険会社の判断は、心臓病は免責、すなわち保険でカバーされないとの結果でした。特に飼い主様も告知義務に反した訳ではないです。

 

ケース③

保険会社から契約を一方的に打ち切られた方

ペットショップで購入してその時から、ショップのおすすめでネット系のペット保険に加入していた愛犬です。継続して加入しており、6歳の時に悪性リンパ腫を発症しました。

ただちに当院で抗がん剤やステロイド薬などでの治療を開始しました。大型犬だったので1回の抗がん剤プログラムでも数万円の費用が発生していました。

順調に治療は進んでいました、抗がん剤のプログラムの後半時期で、突然、保険会社から次回の保険の更新は出来ないとの趣旨の手紙が届きました。

当然それに従うしかないですが、およそ1年後にリンパ腫を再発した際には全額、自費負担となっていましました。

尚、我々が知っている限りでは、アニコム損保やアイペット保険で保険の打ち切りは聞いたことはありません。

結論

以上の例からも、安い保険は安いだけの理由がある事です。決してアニコム損保やアイペット保険を推している訳ではありませんが、大手の方が安心できると考えています。

既にあいペットクリニック稲毛獣医科に来院している方で、保険を切り替えるときには、正しい申告をしないとなりませんので、当院までまずはご相談ください。