
【原因】
クッシング症候群とは反対に副腎皮質ホルモンが欠乏する病気です。主に自己免疫疾患によって副腎組織が破壊される事が原因ですが、90%以上破壊されないと臨床症状は現れません。
一次性 | 副腎組織が破壊される事が原因 犬では一般的 |
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二次性 | 脳下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が不足する事が原因 |
医原性 | ステロイド剤治療、ミトタンによる治療、副腎摘出など |
【症状】
「他の病気のまねをする」と言われるほど臨床症状が曖昧で多様なため、虚脱、食欲不振、沈鬱など急性症状が起こるまで気がつかない場合が多いです。
また、アジソン病の7割がメスと言われるほど、オスに比べてメスの方が発症しやすい傾向にあります。 4歳前後のメスに多く発症するといわれています。
【治療】
フロリネフというホルモン剤を長期にわたり飲む事が一般的な治療です。ただし非常に高価な薬で1錠300円~500円のものを一日2錠与えるとなると薬代だけでも膨大が金額になります。
当院では3~4週間に1回の注射+低用量のステロイド剤の投薬で、効果的かつできる限り治療費の金額を抑えた治療を行っています。
アジソン病の治療費でお困りの方は当院までご相談ください。
【予防】
ストレスが病状の悪化を招くため、環境の変化や手術などのストレスイベントに際しては、あらかじめステロイドの補充投与を行うことで急変を防げます。慢性的に元気がない、下痢や嘔吐を繰り返す、などの症状を見逃さず、早めの検査で診断につなげることが予後を大きく左右します。
血液検査で高カリウム血漿(Na/K比の異常)が見られる事があります。定期的な健康診断をお勧めいたします。
ACTH刺激試験で確定診断をします。
【関連疾患】
アジソン病は、他の内分泌疾患や自己免疫性疾患との関連性があります。例えば、自己免疫性甲状腺炎(ホルモン分泌低下)や糖尿病などと併発することがあります。
【好発犬種・猫種】
プードル、ウエスティーなどのメス犬に発症し易い傾向があります。猫での発症は極めて稀であり、報告例はごく限られています。