手術における有害事例

2017年3月 チワワ 避妊メス 9歳多院からの転院 膝蓋骨脱臼、レントゲン撮影で左後足グレード4、右後足グレード3と診断。術前の血液精密検査で大きな異常が認められなかったため、同月両側後足同時に整復術手術を行う。手術翌日、もともと持っていた水頭症が原因と思われる神経症状を発症し治療を試みるも同日死亡

2021年2月 シーズー 避妊メス 13歳口腔内腫瘍 麻酔下での処置を行うため、プロポフォールにて挿管を試みたところ、心停止となる。蘇生を試みたものの心肺機能回復せず死亡。なお、肥大型心筋症(ステージ2)の治療を行っており、既往歴には皮膚肥満細胞腫および乳腺腫瘍(悪性)の手術歴がある。口腔内腫瘍は病理検査の結果 扁平上皮癌であることが判明した。

2021年3月 大学病院にて麻酔を行い、そこで生じた事例ですが、参考のために記載します。
フレンチブルドック 8歳 後肢麻痺が主訴。先天性の片側脊椎があったため椎間板ヘルニアの内科的治療を行い全身状態は回復した。状態回復後、責任病変の精査のため都内大学病院にてMRI検査のための麻酔を行たところ、検査後覚醒後意識戻らず、起立不能となる。大学病院のスタッフの賢明な治療にも関わらずおよそ6日後に死亡。MRI検査および解剖検査によって脳内出血および脳内腫瘍があることが判明した。

 

考察

上記の3件ともに基礎疾患があるため麻酔の副反応が強く出た結果だと考察しています。当院では年間およそ500例、通算で6000件以上の麻酔下での手術および処置を行っておりまので、当院での事故率はおよそ0.03%となります。

麻酔による事故は決して多くはありませんが、できる限り「0」にするように日々努力しております。術前の検査を徹底する事、あわせてインフォームドコンセントを充実させるよう努めています。

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