血圧測定を犬や猫でも必要なの?

 
生体の血圧調整は、各臓器に必要十分な酸素や栄養分を血液によって運ぶ上で大変重要なシステムです。遺伝的な要因、先天性の異常、あるいは食生活、加齢による変化、ストレス、運動負荷などによって血圧調整が不調になった場合、様々な疾患を引き起こす事が知られています。
 
本院では、獣医師の判断で、血圧測定を計測を行う事があります(再診料に含まれます)。
 
心拍数は、心不全の重症度とにも相関がありますが、病院の環境ではストレスから亢進する傾向にあります。普段からご自宅で安静にしているときに、胸に手を当てて心拍数を測ってあげる事も大切です。
 
血圧の調整は、いろいろなシステムがあります。その代表例を説明します。

①神経系による短期的調節システム

神経による血圧調節は、自律神経系(交感神経と副交感神経)によるもので、交感神経が血圧を上げる方向に働きます。例えば、「火事で逃げなければならない!!」などストレスがかかると、交感神経からノルアドレナリンなどのホルモンを分泌し、血管を収縮させます。血管抵抗が上がるため血圧が上昇し、末梢まで栄養分や酸素の供給が可能になります。ちょうどホースの先を摘まんで、水圧を上げる原理と一緒です。ノルアドレナリンにはα作用とβ作用がありますが、とくにβ作用は心臓の拍動を速くします。

②内分泌系による中期的調整システム

レニン-アンジオテンシン系(RAS)という内分泌系システムが中期的な血圧調節を行っています。腎臓に入る血液量が減ると、腎臓はレニンという酵素を分泌し、血中のアンジオテンシンや副腎のアルドステロンというホルモンを活性化して血管を収縮させ、塩分の吸収を促します。
 
哺乳類の祖先は、海から上陸した際に、体内を海水と同じ成分に保つこのシステムを作ったと言われています。