眼の表面が乾く事で、眼やにが多くなり、角膜表面に傷や色素が侵入するなどの異常が起こる病気です。進行すると痛みを伴う事もあります。
 
 

原因

眼の表面は絶えず涙によって濡れています。涙は眼の表面(角膜)を保護すると同時に栄養分を補給します。さらに涙は、まぶたの働きを助け、ほこりやゴミ、表在菌を洗い流す作用もあります。涙は、3層構造をしており、その表面から、油層、水層、ムチン層と呼ばれています。

油層 マイボーム腺から分泌
水層 主涙腺と瞬膜腺から分泌
ムチン層 結膜から分泌

原因は、様々なものがあります。多い順に下記に列挙します。
 
①慢性眼瞼結膜炎②免疫介在性疾患③感染症
ジステンパーウイルス感染症など
④先天性の涙腺異常⑤チェリーアイ(第3眼瞼)の切除

症状

涙量が低下する事で、眼やにが多くなり、角膜の光沢が失われ、結膜は充血します。慢性化すると角膜表面に血管新生や色素沈着が見られます。さらに進行すると角膜全体が色素で覆われ、視力障害や失明を起こす事があります。

治療

涙の産生が少ない場合、シルマーテストによって涙の量を測定して確定診断をする事が必要です。
 
人工涙液による保護、2次感染を起こしている場合は抗生剤の点眼が必要になります。高価ではありますが、シクロスポリン点眼薬が効果が高いです。2か月ほど投薬をして治療効果を評価します。

予防

温風による暖房やこたつの中に入れるなど、眼の乾燥を助長させる事は避けるべきです。

関連疾患

流涙症

好発犬種

シーズー、パグ、ペキニーズ