【原因】

エンセファリトゾーン症は、Encephalitozoon cuniculi(E. cuniculi)という原虫(微胞子虫)によって引き起こされる感染症です。感染しているウサギの尿を口にしたり、飛沫を鼻から吸ったりして感染します。胎盤感染(母子感染)も起こるとされており、若齢ウサギでも発症する可能性があります。感染したウサギの多くは無症状で一生を過ごしますが、免疫力が低下したときに発症することがあります。
実はこの寄生虫は一般的なウサギの70%近くが感染しているが症状を示していないだけ、とも言われています。この寄生虫の発症には個体の免疫機構が関与していると考えられています。血液検査で感染しているか否かをある程度推測する事も可能です。

【症状】

ウサギに斜頚(首をかしげる)、ケイレン、眼振(目が高速で動き続ける)、眼球内炎症、運動失調など様々な症状を起こします。

エンセファリトゾーンは単細胞の寄生体で、一般的なバイ菌より大きく・寄生虫より小さくて、原虫という分類に入ります。ウサギのほかにマウスやラット、ヒトにも感染すると言われています。ヒトは健康であれば免疫が排除してくれるので感染の心配はありません。

【治療】

治療法は抗原虫薬を一か月内服することが推奨されています。およそ1回の受診として¥10,000を目安にしてください。ただし、症状が重度の場合や神経のダメージが進行している場合は、完全な回復が難しいケースもあります。また、腎不全や眼の障害を併発している場合は、それぞれに対応した治療(輸液、白内障手術など)も必要です。早期診断・早期治療が症状の進行を食い止める鍵になります。