犬のフィラリア症

【原因】

フィラリア(英:Dirofifilaria immitis)という寄生虫が蚊を媒介にして犬に感染する病気です。体内に感染した幼虫は次第に成長し、新たな子供を産むために心臓に住みつきます。蚊が媒介することで感染が広がり、犬だけでなく猫や他の哺乳類にも影響を及ぼします。

【症状】

初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると血液の流れが悪くなる事で、咳、運動不耐性、体重減少、食欲不振などが見られます。重度の場合、心不全や腹水、呼吸困難などの深刻な症状を引き起こし、最悪の場合、突然死に至ることもあります。

【治療】

症状の度合いや、動物の状態にもよりますが、早期のものであれば内科療法を用いて、内服薬や注射で対処します。フィラリアが起因して愛犬の体に別の症状が出ている場合はその対処も行います。

急性の場合には外科治療によりフィラリアを摘出します。ただし、もしも無事に治療が完了しても、フィラリアが住みついた事によって傷ついてしまった心臓や内蔵が元に戻るわけではありません。その後も獣医の指示に従って然るべき対応をしてあげてください。例外として、老年などにより愛犬に手術を行えない場合は食事療法と薬を用いて、咳を抑えたり、腹水を軽減するという対処療法を行います。

【予防】

毎月きちっと飲み薬などを投与することで100%予防する事が出来ます。獣医師の指示に従って、決められた期間中、決められた量を必ず与えてください。シーズン前には定期健診の際には愛犬が間違いなく感染していないかどうかをちゃんと検査してあげてください。

【関連疾患】

フィラリア症に関連する疾患として、心不全、肺高血圧症、腎障害、肝障害などが挙げられます。これらはフィラリアの寄生による血流障害や炎症反応が原因で発生します。

内部寄生虫

【好発犬種】

フィラリア症は、すべての犬種や猫に感染リスクがありますが、特に屋外での活動が多い犬や、蚊の多い地域に住む動物は感染リスクが高まります。猫の場合、感染率は犬より低いものの、感染すると重篤な症状を示すことがあり、注意が必要です。