【原因】

犬や猫がノミの唾液に対して過敏反応を示すことで発症します。ノミが吸血する際、唾液が動物の皮膚内に注入され、これに含まれるタンパク質がアレルゲンとなります。​またノミの唾液には皮膚を刺激するヒスタミン様物質も含まれています。特に、ネコノミ(Ctenocephalides felis)が主な原因であり、犬や猫の寄生ノミの90%以上を占めています。ノミは温暖で湿度の高い環境を好み、特に夏から晩秋にかけて活動が活発になります。屋外飼育や多頭飼育、草むらや土への接触、不特定多数の動物が集まる場所への訪問などが、ノミに噛まれやすい条件として挙げられます。

IgGとIgEのノミ抗体が報告されており、即時型と遅延型過敏症反応が報告されています。重度にノミが寄生している場合、人もノミに咬まれることがあるので注意が必要です。

【症状】

強いかゆみとそれに伴う皮膚の異常です。犬の場合、背中から腰、尾の付け根、後ろ足などに赤みやブツブツ(丘疹)、脱毛、かさぶたが見られます。猫では、腰や首から肩にかけて粟粒性皮膚炎と呼ばれる小さなブツブツが現れ、強いかゆみと脱毛を伴うことが特徴です。​ 二次性の細菌感染や急性湿性皮膚炎を併発する事もあります。

重度の場合、犬猫ともに貧血や体重減少などの全身症状が現れることもあります。

【治療】

完全なノミの駆除ができれば,コントロール可能です。ノミ予防および他の動物との接触を控える、まめにシャンプーを行い皮膚を清潔に保つことも大切です。​かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬やステロイド薬の短期投与を行います。​
二次感染が見られる場合、抗菌薬や外用薬が処方されることもあります。また、環境中のノミの卵や幼虫を除去するため、室内の掃除や適切な殺虫剤の使用が推奨されます。

【予防】

ノミに対して忌避効果のある薬剤を投与する事。ノミ予防として広く用いられているフロントラインは忌避効果がなく、ノミアレルギー性皮膚炎の予防としてはあまり効果的ではありません。

1年中温暖な気候に暮らす犬や猫ではノミの駆除は通年行うことが推奨されています。首都圏ではノミの駆除は5月~6月に開始することが進められています。

【関連疾患】

他の皮膚疾患と類似した症状を示すことがあります。例えば、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーも強いかゆみや皮膚の赤みを伴います。そのため、正確な診断のためには、詳細な検査が必要です。また、ノミは瓜実条虫などの他の寄生虫の媒介者でもあるため、注意が必要です。

アトピー性皮膚炎食物アレルギー疥癬

【好発犬種・猫種】

全犬種で見られますが、柴犬、シーズーなどアトピー好発種における発生が多く見られます。また外出頻度が高い、他の動物との接触が多い、定期的なノミ予防を行っていないなどの条件下では、発症リスクが高まります。特に、屋外での活動が多い犬や猫、または多頭飼育環境では注意が必要です。