要約

背骨をつなぐ椎間板が変性して脊髄を圧迫して痛みや歩行障害、麻痺、尿失禁などを起こす病気です。
この病気は診断が大切で、後ろ足の麻痺が全て椎間板ヘルニアではなく、脊髄腫瘍や脊髄梗塞なども考えられます。また椎間板ヘルニアであった際は背骨は首が7個、胸が13個、腰が7個あり、どの部位で椎間板ヘルニアが起きているかが重要になります。
 
脊髄造影レントゲン検査は椎間板ヘルニア以外の脊髄腫瘍や脊髄梗塞を診断できません。従って脊髄損傷が疑われる場合はMRI検査による病気の鑑別、部位の特定が必要になります。椎間板ヘルニアと確定した場合、痛みやふらつきなどの軽度な場合は内科療法で改善する事もありますが、起立不能や痛みを感じない完全麻痺の場合(グレード3以上)は、内科療法での改善はあまり期待できません、外科手術による治療が必要になります。すべてのグレードに対してレーザー治療は、適用されます。

原因

背骨(脊椎)をつなぐ椎間板が変性して脊髄を圧迫して痛みや歩行障害、麻痺、尿失禁などを起こす病気です。

椎間板ヘルニアのグレード表

グレード1 疼痛 神経学的異常は認められない 内科療法
グレード2 運動失調 固有位置感覚の異常 不全対麻痺 内科療法あるいは外科手術
グレード3 重篤な不全対麻痺(立位もしくは歩行不能) 外科手術
グレード4 対麻痺 排尿・排泄能の消失 表皮の感覚消失 外科手術
グレード5 対麻痺 失禁 深部痛覚の消失 外科手術

椎間板の中心部には髄核、その周囲には同心円状の繊維輪と呼ばれるものがあります。髄核自身が脱出して脊髄を圧迫するパターンを、ハンセンⅠ型椎間板ヘルニアと呼びます。また脊髄輪が変形して脊髄を圧迫するパターンをハンセンⅡ型椎間板ヘルニアと呼びます。

症状

また椎間板ヘルニアであった際は背骨は首が7個、胸が13個、腰が7個あり、どの部位で椎間板ヘルニアが起きているかが重要になります。
 
脊髄造影レントゲン検査は椎間板ヘルニア以外の脊髄腫瘍や脊髄梗塞を診断できません。従って脊髄損傷が疑われる場合はMRI検査による病気の鑑別、部位の特定が必要になります。

治療

椎間板ヘルニアと確定した場合、痛みやふらつきなどの軽度な場合は内科療法で改善する事もありますが、起立不能や痛みを感じない完全麻痺の場合(グレード3以上)は、内科療法での改善はあまり期待できません。この場合外科手術による治療が必要になります。
 
すべてのグレードに対してレーザー治療は、適用されます。

予防

肥満は背骨にかかる負担を増加させるので、体重を適正に保つ事が必要です。

日常からジャンプ、急回転や無理な運動をさせないように気をつけるべきです。

フローリングなど滑りやすい場所では、絨毯を敷くなり、肉球の間の毛を短くするなりのケアが必要です。

関連疾患

リウマチ、脊髄軟化症、脊髄腫瘍、脊髄梗塞

好発犬種

軟骨異栄養犬種(ミニチュアダックス、ペキニーズなど)ハンセンⅠ型が多い