【原因】

犬の伝染性気管支炎は別名、ケンネルコフと呼ばれており、仔犬に多く見られる病気です。原因は、ストレス環境下で免疫力がまた未熟な仔犬に対して、細菌やウイルス感染が混合感染することによっておこります。

具体的には、アデノウイルス、犬パラインフルエンザウイルス、気管支敗血症菌(ホルデテテラ菌)、マイコプラズマ菌などが原因の病原体と感がられています。

【症状】

一般的には以下の内科治療と吸入治療を併用いたします。

内科治療

抗菌剤や気管支拡張剤を主に用います。肺炎を併発している場合は8週間ほど治療に時間を要する事があります。

吸入治療

ネブライジングとよばれる霧状の液体を直接肺に入れて治療をおこなう方法です。人間でも耳鼻科などで使われている方法とほぼ同様です。

費用:3,000円(1回)

【予防】

ケンネルコフの予防には、定期的なワクチン接種が有効です。犬パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルス2型に対するワクチンが一般的に使用されており、これらは混合ワクチンとして提供されています。また、ボルデテラ・ブロンキセプティカに対する経鼻ワクチンも存在し、特に感染リスクの高い環境にいる犬に推奨されます。さらに、犬が集まる場所での感染リスクを減らすため、衛生管理の徹底や、感染が疑われる犬との接触を避けることも重要です。

【関連疾患】

ケンネルコフは、他の呼吸器系疾患と症状が類似しているため、鑑別が必要です。例えば、犬ジステンパーや犬インフルエンザなども咳や鼻水を伴う症状を示します。また、ケンネルコフが重症化すると、二次的に細菌感染を引き起こし、肺炎を併発するリスクがあります。そのため、早期の診断と適切な治療が重要となります。

【好発犬種】

ケンネルコフは、犬種に関わらず発症する可能性がありますが、特に免疫力が未発達な子犬や、高齢犬、基礎疾患を持つ犬で重症化しやすい傾向があります。また、多頭飼育環境や、ペットショップ、ドッグランなどの犬が密集する場所では、感染リスクが高まります。