【概要】

ウサギの歯は一生伸び続ける性質を持っており、自然界ではかたい植物を食べることで歯が自然に磨耗され、適切な長さが保たれています。しかし、飼育環境において柔らかいペレットやおやつばかりを与えていると、歯が十分に削れず、「不正咬合」と呼ばれる状態に陥ります。これは歯が異常に伸びすぎることで、口の中にさまざまな問題を引き起こします。

特に臼歯(奥歯)が尖って伸びると、舌や頬の内側の粘膜を傷つけてしまい、痛みから食欲不振や元気消失、歯ぎしり、よだれの増加といった症状が見られるようになります。よだれで前足が汚れていたり、口元が濡れていたりする場合は注意が必要です。

また、歯が根元側へも伸びてしまうと、顎の骨を圧迫して炎症や膿瘍を形成したり、涙の排泄路を圧迫して涙目(流涙症)を引き起こすこともあります。これらの症状は進行性で、放置すると重症化する恐れがあります。

ウサギの歯の健康を守るためには、牧草中心の食事と、定期的な歯の健康チェックが重要です。歯の異常が疑われる場合は、早めに動物病院での診察を受けるようにしましょう。

【治療と費用】

  • 不正咬合1
  • 不正咬合2
  • 不正咬合3
  • 不正咬合4
  • 不正咬合5
  • 不正咬合6

治療は伸びすぎた歯を削る処置をします。前歯の場合は無麻酔でも可能ですが、奥歯(臼歯)の場合は一般的に鎮静鎮痛下での処置になります。

①前歯のみの場合

処置料 ¥2,000~¥3,000になります。

②奥歯の場合

麻酔前検査 麻酔前血液検査 ¥8,000*
麻酔前レントゲン検査 ¥6,000*
歯科処置 鎮静鎮痛処置 ¥3,500*
処置料 ¥5,000より*
点滴および半日入院 ¥10,000*
内服薬 ¥3,000*

合計でおよそ¥40,000~¥80,000となります。
(*概算)

【予防】

予防としては、常日頃からあまり柔らかすぎる物を与えないようにします。

適度な硬さの長めの牧草を常に食べれる環境にして、齧り木などの堅い 木などもケージに入れてあげましょう。