原因
犬の場合、左右5組み、計10個の乳房がありますが、その一部ががん化する病気です。
詳しい発生のメカニズムは解明されていませんが、女性ホルモンが関与している事は解っています。
症状
飼い主が、乳腺のしこりとして発見する場合が多いです。そのまま放置した場合、徐々に腫大化し、遠隔に転移する場合があります。
一般的に約50%は良性と言われている反面、下図のような悪性度の極めて高い炎症性の乳がんもあります。
治療
腫瘍の外科的な切除が必要です。
その切除の方法は①全乳腺摘出術②片側乳腺摘出術③部分切除④単切除など、様々な方法がありますが、年齢、発生場所、悪性良性の診断、QOLを考慮したうえで判断します。
病理検査の結果、悪性度が高い場合は、ドキソルビシンなどの化学療法を併用する場合があります。
予防
早期の避妊手術が予防になります。
初回発情前に避妊手術すると99.5%、乳腺腫瘍の予防ができると言った報告もあります。その反面、2歳半を超えてからの避妊手術は予防効果が無いと言われています。
関連疾患
乳腺炎
好発犬種
高齢の未避妊メス犬