原因

眼の構造をビデオカメラに例えると、網膜はCCDに相当し、視神経は電気ケーブルに例える事が出来ます。例えば犬の場合、網膜は10層からなり、光情報を電気信号に変換して、視神経を介して脳に情報を伝達しています。
 
網膜変性症遺伝的な原因により網膜血管が萎縮し、網膜への栄養供給が断たれ失明する病気です。PRA(進行性網膜萎縮)と呼ばれる病気もこの中に含まれます。進行性網膜萎縮は、ダックスフンド、トイ・プードル、コリー、セッターなどの犬種に多く見られます。症状は夜に物が見えにくくなったり、視力の低下が起こります。末期まで痛みを伴わない事もあり、進行すると全盲になる事も多く見られます。遺伝子検査をする事で確定診断をすることもできますが、有効的な治療方法はありません。
 
網膜剥離炎症による漿液の貯留、外傷、先天性、硝子体の変性などによって、網膜が定位置から剥離した状態を網膜剥離と言います。栄養供給が断たれるため、視細胞が障害を受け視覚が失われます。一般的には急に眼が見えなくなったり、散瞳する症状が見られます。
 
眼底鏡や超音波検査によって診断します。部分的に剥離した場合は、内服薬やレーザーを用いて進行を抑える事は出来ますが、剥離が全体に及んだ場合は治療は困難です。

予防

効果的な予防法はありません。定期的に眼のチェックをする事が最良の予防だと考えます。

関連疾患

視神経炎眼には特に病変が認められない場合でも、肉芽腫性髄膜脳炎(GME)やジステンパーウイルス感染症により、脳炎が視神経に波及する場合に生じる病気です。GMEの場合、突然の失明や行動異常、旋回運動なども見られる事もあります。MRIを用いた早急な診断および治療が必要です。