原因

本来、群れを社会生活の基本とする犬において、飼い主からの分離に関して軽度の不安反応は良く見られる行動であるが、破壊的行動、無駄吠え、肢端皮膚炎など重度になった場合は病気として考えます。
 
その原因は、以下のような要因が考えられます。
 
単独での留守番に慣れていない事、あるいは飼い主の外出時と在宅時の生活ギャップが強い事生活環境の劇的変化(ライフイベント)高齢化

症状

破壊行動無駄吠え不適切な場所での排泄肢端皮膚炎(犬)/ 舐性皮膚炎(猫)

治療

分離不安の治療は、個体、生活環境および履歴、年齢、性別、その程度と頻度によって様々です。以下に一般的な治療方法を挙げます。
 
行動療法
①散歩の量と質の充実②快適なハウスの設置および外部からの有害刺激の遮断③おやつなど報酬を用いたテンションコントロールおよび動機付け④在宅時にも飼い主との分離トレーニングを行う⑤飼い主の外出時の刺激を馴化させる
 
内科的療法
行動療法でも改善が見られない場合は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)等を使用します。

予防

ペットショップやブリーダーで購入された幼犬や保護犬などで起こる場合が多く見られます。新しい環境での早期の馴化が最大の予防です。
 
ケージやサークル内で十分に慣らしてから、徐々に室内で遊ばせるようにした方が良い結果が得られます。また幼犬に対して、長期の留守番やペットホテルなどは分離不安を与える要因になるので注意が必要です。

関連疾患

皮膚疾患全般

好発犬種

室内犬や保護犬で起こる場合が多い